連詩「忘れられた恋」

擦れ違いの心がプラットホームの片隅に佇む 
偶然と必然が交叉する 
ずーと昔の心がほらそこに、今生まれたばかりの心がほらここに 
人待ち顔した心がそっと微笑む 
うわべだけの笑顔に疲れ果て、ただ幸せに浸りたかったあのころは 
今ではもう過去の景色 
セピア色の思い出を秘めて歩き出しても心が、揺れ動く 
今のキミの笑顔は少し泣いているようにもみえた 
次はいつ会えるのか? 僕は階段を駆け上がっていた。 
発車のベルが、鳴る。 
キミは、僕を探し僕は、キミの視線を追い掛ける 
ずっと会いたかったの!そう叫んだ彼女の頬には涙がこぼれた 
キミの涙を見るのは初めてだった。 
そういつも、僕の記憶の中では笑っていたキミが 
初めて涙をこぼしたのを僕は見た 
春の陽射しに目覚めた枯葉のような喜びが 
僕らの間をやわらかく通り過ぎる 
まもなくドアが閉まります 
僕とキミはその声にハッと振り向きそして瞳を、また瞳を合わせていた 
薄い青色の空が、オレンジに傾き始める 
合わせた瞳と瞳の間に オレンジの空を映す空が現れた 
その空越しに キミの半開きの唇とボクのシルエットの幻の姿が重なった 
オレンジ色に染まった空に映し出された 君の頬に涙が光っていた 
僕は、抱きしめたい想いを抱きながら、どうする事も出来ずに 
ただ君の涙に濡れた頬を見つめていた 
君の唇は あなたにずっと逢いたかったの… 
そう言っているのは、僕自身良くわかっていたのに、 
僕はただ君を見つめている事しか出来なかった 
オレンジ色の空と冷たい空気が僕の気持ちをあざ笑っているかに思えた 
もう振り返るのはやめよう 
君のために。。ぼくのために。。。 

2008/06/12完 
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